文芸

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【金原ひとみ】蛇にピアス

お疲れさまです。赤鬼です。 今回ご紹介するのは、金原ひとみさんの『蛇にピアス』です。 ピアスの拡張にハマっていたルイは、「スプリットタン」という二つに分かれた舌を持つ男アマとの出会いをきっかけとして、舌にピアスを入れる。暗い時代を生きる若者...
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【中村文則】逃亡者

お疲れさまです。赤鬼です。 今回ご紹介するのは、中村文則さんの『逃亡者』です。 不慮の死を遂げた恋人と自分を結ぶトランペットを持ち、逃亡するジャーナリストの山峰。彼が偏愛するそれは、第二次大戦中のある作戦で伝説となり、〝悪魔の楽器〟と呼ばれ...
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【又吉直樹】火花

お疲れさまです。赤鬼です。 又吉直樹さんの『火花』をご紹介します。 売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で、師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。そのお笑い哲学に心酔して行動を共にしながら議論を続けるのだが、やがて二人は別の道を歩んでい...
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【中村文則】土の中の子供

お疲れさまです。赤鬼です。 中村文則さんの『土の中の子供』をご紹介します。 27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」...
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【沼田真佑】影裏

お疲れさまです。赤鬼です。 沼田真佑さんの『影裏』をご紹介します。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。...
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【原田宗典】十九、二十

お疲れさまです。赤鬼です。 原田宗典さんの『十九、二十』をご紹介します。 僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門...
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【市川沙央】ハンチバック

お疲れさまです。赤鬼です。 市川沙央さんの『ハンチバック』をご紹介します。 井沢釈華しゃかの背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。 両親が終の棲家として遺したグループホー...
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【宇佐美りん】かか

お疲れ様です。赤鬼です。 今回は宇佐美りんさんの『かか』をご紹介します。 19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親=かかのことで切実に悩んでいる。かかは離婚を機に徐々に心を病み、酒を飲んでは暴れることを繰り返すようになった。鍵をかけたちいさ...
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【石沢麻衣】貝に続く場所にて

お疲れ様です。赤鬼です。 石沢麻衣さんの『貝に続く場所にて』をご紹介します。 コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、...
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【遠藤周作】沈黙

お疲れ様です。赤鬼です。 遠藤周作の『沈黙』をご紹介します。 島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに...